木酢液(もくさくえき)は、木材を炭にする際に発生する煙を冷却して得られる液体で、古くから農作物の栽培や生活に利用されてきました。
独特の香りを持つことから、人によっては好き嫌いが分かれますが「植物の生育を促進」したり、「病害虫を防除したり」する効果が期待できることから近年注目を集めています。
今回はそんな「木酢液」について紹介します!

木酢液のメリットとデメリット
まずは木酢液の「メリット」と「デメリット」を紹介します。
【メリット】
・病害虫の予防
木酢液には「殺菌作用」や「防虫効果」があり、植物に付着するカビや細菌、アブラムシなどの害虫を抑制する効果があります。
・生育促進
木酢液には「植物の根の発育を促進」や「葉の光合成を活発にする」効果があります。
・土壌改良
木酢液には「土壌のpHを調整」や「微生物の働きを活発にする」効果があり、土壌を改善する効果があります。
・天然由来
木酢液は木材を原料としているため、化学合成農薬に比べて環境への負荷が少ない。
【デメリット】
・強い酸性
木酢液は強い酸性のため、濃度や使用方法を誤ると、植物を傷つけたり、土壌を酸性化させたりします。
・独特の臭い
木酢液は独特の強い臭いがあるため、周囲への影響や作業時の不快感に注意が必要です。
・効果が一定しない
木酢液の効果は植物の種類、生育段階、土壌の種類、気象条件などによって異なり、期待通りの効果が得られるとは限りません。
虫を寄せ付けない効果について
メリットで書いたように木酢液は、その独特な香りによって、多くの昆虫や動物を遠ざける効果があります。
わたしの木酢液を使用する一番の目的がそれです。
しかし、すべての生き物に対して効果があるわけではありません。
また、個体差や環境条件によっても効果は異なりますが、効果が期待できる生き物を紹介します。
ただ殺虫剤ではないので、液をかけたからといって生き物がその場で死んだり、逃げていくわけではありませんよ。

◆木酢液が効果の期待できる生き物
【蜂(ハチ)】
スズメバチ・アシナガバチなど、木酢液の刺激的な匂いが多くの種類の蜂に対して、効果が期待できます。
【蚊(カ)】
木酢液の匂いを嫌うため効果があります。
【蠅(ハエ)】
木酢液の匂いを嫌う傾向があります。
【ネズミ】
木酢液の匂いを火事の煙と勘違いし、近づかないと言われています。
【ナメクジ】
木酢液の匂いを嫌います。
【その他】
アブラムシ、コナジラミなど、植物に付く害虫にも効果があります。
木酢液の使い方は?
では木酢液は、どう使うのでしょうか?
木酢液は原液のままではなく、必ず水で薄めて使用します。
薄める倍率は、植物の種類や目的によって異なりますが、一般的には100倍~1,000倍に薄めます。
使用方法は大きく3つです。
【散布】
植物の葉などに直接散布することで、病害虫の予防や生育促進の効果
【土壌潅水(カンスイ)】
土壌に直接散布することで、土壌改良や根の発育促進の効果
【浸け込み】
種子を木酢液に浸けることで、発芽率の向上や病害虫の予防効果
散布する場合は適度な濃度に薄めてスプレーボトルに入れた「木酢液スプレー」を作って使用すると便利ですよ。
「木酢液スプレー」を作る場合は、以下の手順で行います。
- スプレーボトルを用意
⇒100均などで手軽に購入できるスプレーボトルでOK - 木酢液を薄める
⇒水道水で木酢液を100倍~1,000倍に薄める - スプレーボトルに詰める
⇒薄めた木酢液をスプレーボトルに詰める
木酢液が薄められてそのままスプレーできる商品も売られています。
わたしも購入しましたが手軽に使えて便利でしたよ。
★中島商事 備長炭 木酢液スプレー 900ml
この商品の使用頻度は次の回数と書かれています。
【植物の活性】
月に2~3回、1株あたり5~10回株のまわりに散布します。
【犬・猫よけ】
月に3~4回、通り道1平方メートルに対し、10~20回散布します。
【生ゴミ処理】
月に3~4度生ゴミ(コンポスト)約20Lに対し20~30回散布し混ぜ込みます。
【家畜の糞尿の脱臭】
月に3~4回、家畜舎の床1平方メートルに対し、10~20回散布します。
まずは「木酢液」のお試しであれば、このような商品で様子見してみてはどうでしょうか。
木酢液の使用上の注意
使用するときは次のことに注意しましょう!
【濃度】
木酢液は強い酸性であるため、濃度を間違えると植物を傷つけてしまうことがあります。
必ず水で薄めて使用し、植物の種類によっては木酢液が合わない場合がありますので、初めて使用する場合は少量で試してから広範囲に散布するようにしましょう。
また皮膚に触れると炎症を起こす可能性があるため、原液扱うときは手袋などを着用して取り扱いましょう。
【天候】
雨天時や高温多湿の日は木酢液の効果が薄れます。
【周囲への影響】
木酢液は自然由来の成分ですが大量に使用する場合、木酢液の臭いは周囲の人やペットに不快感を与える可能性があります。
風向きに注意し密閉された空間での使用は避けましょう。
まとめ

木酢液は、植物の栽培に役立つ天然の資材で比較的安全な害虫対策として利用できますが、使い方を誤ると植物を傷つけたり、周囲に悪影響を与えたりする可能性があります。使用する際には、必ず使用方法をよく読んで、安全に使いましょう。

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